金星探査機「あかつき」の軌道修正、7月中に3回実施
:宇宙航空研究開発機構(2015年7月9日発表)

 (国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月9日、今年12月の金星周回軌道再投入に向け飛行を続けている金星探査機「あかつき」の軌道修正を7月17日と同24日、同31日の3回に分けて実施すると発表した。

 「あかつき」が金星の大気観測を目指してH‐ⅡAロケット17号機で打ち上げられたのは、平成22年5月。「あかつき」は、所定の軌道に乗って金星に向かったが、同年12月、金星周回軌道投入に失敗した。

 現在「あかつき」は、惑星のように太陽の周りを周期199日で回っているが、今年12月7日に再度金星周回軌道投入に挑戦する。

 「あかつき」は、約1.0m×1.45m×1.4mの箱型の衛星(重さは約500kg)で、上部と下部にそれぞれ4本姿勢制御用エンジンを搭載し、そのうちの「Bottom側姿勢制御用エンジン」と呼ばれる下部4本はこれまでに行った3回の軌道修正ですでに使っている。

 そのため、今年12月の「あかつき」の金星周回軌道再投入は、上部の4本の「Top側姿勢制御用エンジン」を使って行う予定だが、宇宙環境で長時間燃焼させた実績がない。

 今回の7月17日からの「あかつき」の3回の軌道修正は、そのTop側姿勢制御用エンジンを使って行うもので、12月の“本番”に向けての性能試験を兼ねている。

詳しくはこちら