牧草中の放射性セシウム濃度の低減で成果
:農業・食品産業技術総合研究機構(2015年6月26日発表)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構の畜産草地研究所は6月26日、牧草地をより深くまで耕うんし、土をより細かく砕土すると牧草中の放射性セシウム濃度が低くなることが分かったと発表した。

 農林水産省の平成25年度の委託プロジェクト「農作物に対応した放射性物質移行低減対策技術の開発」で得た研究成果で、除染のための草地更新の際に採用すれば「効果的な草地除染が進むことが期待される」と農研機構。

 放射性セシウム濃度の高い牧草ができる草地では、耕うんして種を播き直す、いわゆる草地更新が濃度低減に有効なことが明らかになっており、耕うんを深く丁寧に行うと移行低減効果が高くなるということも経験的に知られている。

 しかし、耕うんする場合の具体的な機械の設定目標などは、これまで示されておらず、除染目的の草地更新に適した耕うんの仕方をより具体的に示すよう求められていた。

 今回の成果は、それに応えるもので、耕深がおよそ13cmまででは耕深が深いほど、砕土率の高い細かい土ほど牧草の放射性セシウム濃度を低減できることが判明したとし、最初に刈り取る1番草、次の2番草、3番草でもそれが認められたという。

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