産総研がCO2吸着能力で研究発表を訂正

 国立研究開発法人産業技術総合研究所は4月14日、平成26年2月13日に行った研究発表「CO2吸着能に優れた新しい多孔質吸着体を開発―CO2分離回収の大幅な省エネにつながる―」(平成26年2月26日につくばサイエンスニュース掲載:https://www.tsukuba-sci.com/cms/?p=20289)の内容に関し、数値に誤りがあったと発表した。当初、新開発のセリウム酸化物を用いた新吸着体は、従来のものより2~4倍の吸着能力があるとして、ゼオライトや活性炭との吸着性の違いを示すグラフを掲載していた。今回の訂正では、担当研究者が実験の数値の測定を誤った結果、CO2吸着能を過大に評価していたということで、「既存の活性炭との比較では上回るものの、ゼオライトとの比較では、ほぼ同水準」になるとしている。こうしたことから、グラフもゼオライトとほほ同水準となるグラフに訂正した。この誤りに関して産総研では、外部委員を過半数とする調査委員会を設置して研究不正があったかどうかを調査した結果、研究不正はなく過失による誤りと判断した、としている。