所要動力を大幅減、コンバイン用の新脱穀選別機構を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構(2015年4月14日発表)

 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構は4月14日、自脱コンバイン用の新しい脱穀選別機構を開発したと発表した。

 稲や麦の穂先だけを脱穀する自脱コンバインは、作業速度が速く、収穫物へのゴミの混入が少ないという優れた特徴を持つ。

 しかし、現在の自脱コンバインには、脱穀部、選別部の構造が複雑なため、価格が高くなる難点がある。

 新脱穀選別機構は、櫛で髪の毛をすくように脱穀する「こぎ歯」と呼ばれるウレタンゴム製の櫛状の歯を使っているのが特徴。前方から送られてきた作物を櫛状になったこぎ歯によって穂首から穂先に向け穂をすくように脱穀する方式で、脱穀に要する動力を従来機の4分の1程度に低減できる。

 平野の外縁部から山間地にかけての地域、いわゆる中山間地域向けの自脱コンバインにこの新機構を組み込み、部品数をこれまでより200点程度削減した。

 新脱穀選別機構を搭載した自脱コンバインは、選別損失がまだ一般的な自脱コンバインの2倍以上の7%程度あってその改良が残されているが、農研機構は「本機構に置き換えることで、これまでと同等の性能を維持しながら、エンジンの小型化、機体のコンパクト化などが図られたコンバインの開発が見込める」としている。

詳しくはこちら

図

中山間地域対応自脱型コンバインに適用した脱穀選別機構(提供:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)