「被災地企業のシーズ支援プログラム」の実施課題25件を選定
:産業技術総合研究所(2015年4月15日発表)

 国立研究開発法人産業技術総合研究所は4月15日、昨年新たに開所した同研究所の福島再生可能エネルギー研究所(福島・郡山市)が取り組む「被災地企業のシーズ支援プログラム」の実施課題を選定した。

 このプログラムは、東日本大震災の復興策の一つで、甚大な被害を受けた3県(福島・宮城・岩手)の企業が開発した再生可能エネルギーの技術やノウハウに産総研が経費を負担して技術支援を行い、実用化までもっていこうという事業。

 選定された実施課題は、25件で、これから1年間、福島再生可能エネルギー研究所がそれぞれの課題に技術支援を行い、得られた成果を各企業に技術移転する。

 実施課題名と企業名は次の通り。

◇太陽光発電分野

 ▽無電解Agめっきアクリル樹脂粒子を分散とした導電性フィルムを用いて作製した太陽電池モジュールの信頼性評価:(株)山王▽太陽電池EVA封止材用高性能架橋助剤の作用機構解明:日本化成(株)▽粘土ガスバリア膜を用いた太陽電池バックシートの信頼性評価:クニミネ工業(株)▽分子結合チタニアシリカを適用した太陽電池パネルの性能評価および信頼性評価:(株)アサカ理研▽めっきによる結晶シリコン太陽電池の電極形成技術の開発および信頼性評価:(株)エム・ティ・アイ▽結晶シリコン太陽電池モジュール用部材の開発:(株)カナメ

◇風力発電分野

 ▽過回転防止用回生ブレーキシステムの開発および騒音計測:(株)シルフィード

◇地熱地中熱分野

 ▽掘削時同時比抵抗測定ツールの実地熱井への適用と性能評価:地熱エンジニアリング(株)▽自噴井を利用したクローズドループ地中熱ヒートポンプ冷暖房システムと無散水消雪システムの高効率ハイブリッド化とその性能評価:日本地下水開発(株)▽温泉水を用いたアルミニウム廃棄物からの水素製造技術:北日本電線(株)▽地下水移流効果を有効利用した杭熱交換器【深井戸ボアホール】構築方法の開発:(株)福島地下開発▽高効率膨張発電機を用いた小型温泉発電装置の実用化支援:(株)リナジス▽地下水間接利用型地中熱ヒートポンプの地下水量調整制御に関する評価:サンポット(株)▽地中熱ヒートポンプシステム配管の高度化ならびに断熱効果の検証:ジオシステム(株)

◇蓄エネルギー分野

 ▽リン系イオン液体の高温熱媒体の開発:日本化学工業(株)▽スクロール膨張機を用いた熱利用発電システムの性能評価:アネスト岩田(株)▽「太陽熱集熱パネル」と「補助熱源機器」併用運転時の最適運転制御手法の開発:(株)亀山鉄工所▽金属複合水素透過膜の開発:(株)山王

◇再生可能エネルギー管理

 ▽再生可能エネルギー出力安定化システムの開発:日本工営(株)▽元旦ウィングの性能および適用性評価:元旦ビューティ工業(株)▽一軸可動型ソーラーシステムによる高発電量化の評価:(株)シーソーラー▽単結晶パネルとアモルファス融雪PVモジュールにおける発電量および劣化の検証:(株)システムヤマノ▽太陽光発電太陽電池ストリング監視システムの長期信頼性評価:アサヒ電子(株)▽多種類PVシステム評価技術の多面的検証:福島発電(株)▽太陽光発電利用の完全自立型防災サーバーシステム:(株)イーダブリュエムファクトリー

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