国土交通省の国土地理院は10月22日、石岡市(茨城)の茨城県畜産センター内に建設していた「次世代型VLBI(超長基線電波干渉法)アンテナ」が完成したと発表した。これにより、わが国の位置を1mmの精度で求められるようになるという。
VLBIは、数十億光年の彼方の天体から届く電波を世界各国のパラボラアンテナで同時受信し、その到達時間の差から地球の自転速度やプレート(地球表層部を覆う岩盤)の動きなどを高精度に計測する手法。その受信を行うVLBIアンテナは、日本に多数あり、主なものだけで十数基を数える。
国土地理院もつくば市(茨城)に直径32mのアンテナを備えたつくばVLBI観測局を設けているが、より高精度な観測が行なえるようにしようと今回の次世代型VLBIアンテナを建設した。
完成した次世代型VLBIアンテナは、直径が13mと小型だが、広帯域・大容量化で地球上における日本の位置を1mmの精度で求めることができるという。また、GPS(全地球測位システム)などの衛星による測位の精度向上などにも寄与する。
これまでのVLBIアンテナで計測できた日本の位置の精度はセンチメートル単位だったが、これからの位置決定精度はセンチからミリにアップすることになる。