(独)農業・食品産業技術総合研究機構は10月23日、サイレージにして牛に与える発酵粗飼料に適した水稲の新品種「べこげんき」を開発したと発表した。牛(べこ)も生産者も元気になることを願って名付けたという。
サイレージは、牧草などを密封した嫌気状態で乳酸発酵させた飼料のこと。わが国では、水稲の穂や茎、葉をまとめて収穫してサイレージにし、畜産農家が利用する、いわゆる耕畜連携が奨励されている。それには、収量やサイレージの品質に加え、食用の米を得る水稲の収穫前に刈り取れる品種であることが求められる。
新品種「べこげんき」は、種籾(たねもみ)を水田に直接播く直播栽培で早期に収穫でき、代表的な食用品種の「あきたこまち」の収穫前に刈り取れる。地上部乾物収量が多く、サイレージの発酵品質も良好な品種という。
既に秋田県内で平成26年度からこの新品種「べこげんき」の栽培がスタートしており、平成27年度は30ha(ヘクタール、1haは1万㎡)の作付けが見込まれている。