(一財)茨城県科学技術振興財団は9月2日、「第11回江崎玲於奈賞」を理化学研究所の研究チームリーダーの蔡兆申(ツァイ・ヅァオシェン)氏と、同じく理研チームリーダーで東京大学先端科学技術研究センターの中村泰信教授に授与すると発表した。
この賞は、ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈博士が理事長を務める同財団などがナノテクノロジーに関する研究で優れた成果を挙げた研究者に対し贈るもの。両氏の共同研究テーマの「超伝導ビットシステムの研究」で、量子コンピューター実現に向け量子振動を世界で初めて観測したことが評価された。
蔡・中村両氏への同賞授与は、江崎博士やノーベル物理学賞受賞の小林誠博士など審査員9人が同日、委員会を開き決定した。
また、茨城県内で研究に携わり、成果を収めた研究者に贈られる「第25回つくば賞」は、筑波大学の宮崎修一教授に贈られる。研究テーマの「形状記憶合金の実用特性の発明と先駆的研究展開」が評価された。「第24回つくば奨励賞(実用化部門)」は、(株)日立製作所日立研究所の梅澤真澄主任研究員、同・えび名風太郎研究員、同・青木孝道研究員の研究グループに、「同(若手研究部門)」は、(独)産業技術総合研究所の山本慎也主任研究員に贈られる。