GPM主衛星観測の3D降水データの一般提供始める
:宇宙航空研究開発機構(2014年9月2日発表)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月2日、米航空宇宙局(NASA)と共同で開発した全球降水観測計画(GPM)主衛星が取得する観測データの一般への提供を同日から開始したと発表した。

 主衛星には、JAXAと(独)情報通信研究機構が共同開発した「二周波降水レーダー(DPR)」と、米航空宇宙局(NASA)の開発した「GPMマイクロ波放射計(GMI)」を搭載。DPRは2つの周波数帯を使って降水を三次元で観測できる。

 主衛星は、今年2月28日にH-Ⅱロケット23号機で種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)から打ち上げられ、3月10日に初画像を得ることに成功した。その後、JAXAはデータの精度を向上させる校正作業を進めてきた。JAXAでは、地球観測衛星データ提供システム「G-Portal」から一般ユーザーに提供する。

 GPM計画は、主衛星と副衛星群とによる観測計画で、地球全体の雨や雪などの降水を3時間ごとに観測、天気予報や防災、農業や漁業に役立てようというもの。日米にフランス、インド、中国などが参加している。

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平成26年8月9日19時頃(日本時間)のDPRによる台風11号の降水の三次元分布(提供:JAXA/NASA)