国土交通省の国土技術政策総合研究所は6月17日、家庭に設置する次世代蓄電システムの実現を目指し、蓄電池の直流電源で家電製品を直接稼働させる実験を行う共同研究者を公募すると発表した。
家庭などが消費する小口電力は、電力需要全体の6割に上るにもかかわらず、ピーク電力の低減対策が進んでいない。このため国総研は、家庭電力を安価にピークシフトする次世代の蓄電システム「低電圧直流蓄電給電システム」の研究を進めており、すでにLED(発光ダイオード)照明、薄型テレビ、電話機、パソコン、小型冷蔵庫などと鉛蓄電池を繋いだ実験装置ができている。
今回の共同研究は、つくば市(茨城)の同研究所内にある実験装置を使って蓄電池からの直流で家電製品を直接稼働させる実験を行い、安価で、変換ロスのないピーク対策の実現を図ろうと実施するもの。
同研究所は、「公募することにより多様なデバイスが繋がる可能性がある。機器相互間の影響などについて実験を通じて検証を行うとともに、デバイスの組み合わせによる各種用途の実現可能性などに関する実証実験を行う」としている。
共同研究では、①電力消費デバイスの接続可能性実験、②蓄電デバイスの接続可能性実験、③国総研の実験装置のシステムとは異なる目的別システムの実用化可能性実験―を今年の9月から平成28年3月末までかけて行う。
応募できるのは、国内の①直流駆動機器のメーカー、②蓄電池メーカー、③住宅メーカーで、募集の締め切りは7月17日。7月18日以降につくば市の同研究所でヒヤリングを行い共同研究者を決める。問い合わせは、国総研 企画部 企画課(TEL029‐864‐2214)へ。