(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月20日、同機構角田宇宙センター(宮城・角田市)のジェットエンジン試験設備を使ってターボジェットのマッハ4(音速の4倍の速度)での推進風洞実験に成功したと発表した。
ターボジェットは、圧縮した空気と燃料を混合して点火、その燃焼による排気流だけで推力を得るジェットエンジンの一方式。英仏両国が共同開発した超音速旅客機「コンコルド」は、2003年に退役したが、英国ロールス・ロイス社製のターボジェットエンジンを搭載していた。
今回の実験は、風洞内で、高温・高速の気流をエンジン全体に吹き付けて、実際にマッハ4で飛行している時と同じ環境で超音速ターボジェットが作動することを確認したもので、2014年2月28日に行った。
同機構は、既に昨年、同機構能代ロケット実験場(秋田・能代市)において、マッハ4で飛行している時と同じ状態でのエンジン燃焼試験を済ませており、今回の実験成功をふまえ、さらに可変インテーク(エンジンへの空気流を減速・圧縮する装置)やアフターバーナーによる超音速ターボジェットの推進力向上を目指したいとしている。