(独)物質・材料研究機構(NIMS)は4月15日、中国の東南大学と燃料電池用の新電極材料の国際共同研究を行うことで合意し、覚書に調印したと発表した。
白金を使わない燃料電池用の電極材料を開発するのが目的で、「驚異の素材」として世界中が注目している炭素材料の一種「グラフェン」に的を絞って共同研究を行う予定。
東南大学は、南京市にある1902年に創立された歴史ある大学。現在の学科は、34を数え、98の博士課程と208の修士課程を置いて、6,000人のスタッフが教育と研究にあたっている。
グラフェンは、世界で最も薄い素材で、原子1個分の厚さの炭素のシート。発見されたのは10年程前。「驚異の素材」、「ポスト・シリコン」などと呼ばれている期待のニューマテリアルで、発見者は既にノーベル物理学賞を受賞しており、折り曲げ可能なディスプレイや、超高速プロフェッサー、メモリーチップなどへの応用研究が今世界中で進められているといわれている。
共同研究では、グラフェン系材料を使った白金に代わる燃料電池用高性能電極の開発を目指し、東南大学側がグラフェン系材料の分子設計を担当、NIMS側がその材料の電極材料としての評価解析、燃料電池デバイスの作製と評価などを行なう。
No.2014-15
2014年4月14日~2014年4月20日