(独)農業環境技術研究所は1月8日、同研究所が公開している「土壌情報閲覧システム」に収録されている土壌情報を、スマートフォンやタブレットコンピュータで検索・表示するアプリケーション“e-土壌図”を開発、公開したと発表した。知りたい場所の農耕地土壌図を画面に表示し、土壌の種類や特性に関する情報をどこでも手軽に簡単に入手、利用できる。営農指導や土壌調査の支援ツールとしての利用を期待している。
■作物管理で活用
農環研の土壌情報閲覧システムは、農耕地を土壌別に分類、表示したデジタル農耕地土壌図や、土壌の種類ごとの性質、作土層の理化学性データベースなど土壌に関する情報を発信している。土壌情報の利用が拡大、多様化してきたことから、農環研は今回、現場などで簡単に活用できるようにするためのモバイル端末向けアプリケーションを作製した。
開発したe-土壌図では、デジタル農耕地土壌図を検索し、必要に応じて土壌図の背景に地図あるいは航空写真を表示できる。詳細を知りたい場所をタップすれば、その地点の土壌の分類名が表示され、分類名をさらにタップするとその土壌の特性が表示される。
利用者が作成したメモ、画像ファイル、PDFファイルを土壌図上の地点と結び付けて保存したりすることもできる。
農環研では土壌診断や作物の病害虫・雑草の防除など総合的な作物管理に活かしてほしいとしている。

“e-土壌図”の操作画面。Aは、一般地図を背景にした土壌図とアプリ機能、Bは、衛星画像を背景にした土壌図、Cは、土壌の特性の説明画面(提供;農業環境技術研究所)