(独)防災科学技術研究所は12月18日、北海道の中標津町(なかしべつちょう)で同月20日から同研究所が開発した「吹雪発生予測システム」の試験運用を開始すると発表した。
同町では、平成25年3月2日から3日にかけての暴風雪で5人が亡くなる痛ましい事故が起きている。発達した低気圧の影響で急激に天候が悪化し、発生した猛吹雪による視界不良と道路への吹きだまりで自動車の通行が不能となって生じたもので、中標津町やその周辺地域では再発防止が大きな課題になっている。
その要請に応えようと「吹雪発生予測システム」の現地での試験運用を行うもので、町内の2地点にライブカメラを設置し、また、1地点に小型の気象観測所を置いて観測を行う。1時間ごとの視程、風速、降雪量、気温、吹雪量の予測情報を1日に午前4時と午後4時の2回、同町内の限定したメンバーに試験的に提供するというのがその内容。
得られた吹雪予測データは、中標津町がこの試験運用プロジェクトの成果を地域の防災対策に適用するために設けた運営委員会のメンバーに提供され、同研究所は「メンバーの意見を参考に完成度を高めたい」といっている。
同研究所は、3年内に町独自で効果的な吹雪災害対策が行えるようにしたいとしている。
No.2013-50
2013年12月16日~2013年12月22日