長時間クリープ試験材の微細組織写真集を発行
:物質・材料研究機構

 (独)物質・材料研究機構(NIMS)は10月16日、長時間クリープ試験材の微細組織写真集を発行したと発表した。
 この写真集は、クロムを18%、ニッケルを12%含む熱間圧延ステンレス鋼板「SUS 316-HP」の長時間クリープ試験材の微細組織を写したもの。
 高温下で金属材料に荷重をかけると、時間の経過にしたがって徐々に変形が進む「クリープ」という現象が生じる。クリープ試験は、加熱した試験片に一定の荷重をかけ、クリープ変形量や破断するまでの時間を測定する試験で、プラントなどの安全を守るため大変重要視されている。
 同機構は、前身の「金属材料技術研究所」時代の昭和41年(1966年)度から各種金属材料の長時間クリープ試験を開始しており、その成果の微細組織写真集、クリープ変形データ集、資料集の発行をその都度行っている。
 今回発行したのは、そのうちの微細組織写真集で、「NIMS CREEP DATA SHEET 長時間クリープ試験材の微細組織写真集 No.M-10熱間圧延ステンレス鋼板 SUS 316-HP (18Cr-12Ni-Mo-middle N-low C)クリープ試験材の微細組織」といい、550~750℃の高温での最長約16万6千時間(約19年に相当)までの長時間クリープ試験後の(1)光学顕微鏡写真(2)透過型電子顕微鏡組織写真(3)析出物の同定結果(4)析出開始線図、などが収録されている。
 問い合わせは、同機構企画部門広報室(TEL029-859-2026)へ。

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