(独)産業技術総合研究所は12月6日、インターネットで日本全国の地質図を誰でも簡単に利用できるウェブサイト「地質図Nabi」を公開したと発表した。地震の原因になる活断層や火山などの地質情報も地図上に表示される。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末からも容易に利用できるため、広く建築構造物の安全設計や防災活動、自然教育などに役立つと期待している。
産総研は、明治時代から国土の基本情報として日本全国の地質情報を集めているが、2011年の東日本大震災以降、一般の人からも地域の詳しい地質や断層、地盤の化学成分などを詳しく知りたいという要望が強まっている。
産総研は、既に2006年から全国の主要な地質図をインターネットで見られる「統合地質図データベース」を公開してきたが、地質図の利用に欠かせない付属情報の閲覧機能が不足していたり、地図画像の品質や表示速度が不足していたりするなど問題があった。そこで今回は、これらの問題点を解決、地質図の表示速度と操作性を向上させたうえ、インターネット環境さえあればパソコン以外の情報機器からも閲覧できるようにした。
地質図データは標準的な形式で配信されるため、一般的な地図アプリケーションで地質図データがより効果的に利用できる。例えば、国際規格で提供される重力図や地球化学図などの情報も地質図と併せて表示可能だ。
マウス操作によって地質図とその付属情報を直感的に表示できるため、複数の地質図の情報を切り替えながら快適に閲覧できるという。
No.2012-49
2012年12月3日~2012年12月9日