太陽電池の構造を一新する革新技術の開発に挑戦
―18企業・1大学が参加、5年内に試作品
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は12月7日、今の太陽電池の構造を一新する革新技術の開発を同研究所と18の企業、1つの大学が参加して行なう「次世代結晶シリコンPVコンソーシアム」の設立を発表した。
 新構造の結晶シリコン製太陽電池を開発し、2014年春までに郡山市(福島)に一貫量産ライン並みの先端試作ラインを作り、5年以内に試作品を完成させて順次企業に技術移転する計画。日本で生産して国際競争に勝てるモノ作りの実現を目指した技術開発を進める。
 先端試作ラインは、同研究所が郡山市に新設する福島再生可能エネルギー研究開発拠点内に設置する。
 近年、様々な太陽電池の開発が行われているが、結晶シリコンを使う太陽電池が依然として市場の大部分を占め、この状態は当面続くと予想されている。
 一方、太陽電池も国際競争による低価格化で国内生産の転換を強いられているといわれ、「ゲームチェンジ・テクノロジー」と呼ばれる「国際競争に勝てる国内でのモノ作り技術」の開発が喫緊の課題になってきている。
 設立されたコンソーシアムは、次世代の高性能、高付加価値の結晶シリコン製太陽電池を1W当たり50円以下の低製造コストで量産する技術開発に挑戦し、年産10万ウエハーの量産レベルの一貫試作ラインを建設、国内唯一のオープンな研究用の次世代太陽電池一貫試作ラインにする計画という。
 コンソーシアムへの参加企業・大学は次の通り。
 ▽旭硝子(株)▽エスペック(株)▽(株)エヌ・ピー・シー▽キヤノンマーケティングジャパン(株)▽光洋サーモシステム(株)▽コマツNTC(株)▽新東工業(株)▽シャープ(株)▽(株)新興製作所▽新日鐵住金(株)▽大日本スクリーン製造(株)▽TANAKAホールディングス(株)▽デクセリアルズ(株)▽デュポン(株)▽ナミックス(株)▽日本合成化学工業(株)▽(株)ノリタケカンパニーリミテッド▽パナソニック(株)▽福島大学
 (このほか、協力機関として豊田工業大学が参加)