(独)農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センターは10月15日、徳島県と共同でナシなどの果樹のカラス被害を防ぐ新技術を開発し、そのマニュアルをホームページ(HP)で公開したと発表した。 新技術は、「くぐれんテグス君」と呼び、市販のテグス(合成繊維製のひも)と防鳥網の組み合わせでカラスの侵入を防ぐというもの。 マニュアルのアドレスは、http://www.naro.affrc.go.jp/org/narc/chougai/。 同センターは、この新技術の普及を図るため、概要が分かるパンフレットも用意しており、希望者に無償で配布している。 収穫期の果樹のカラス被害対策としては、防鳥網の設置が一番確実だが、資材費や、設置労力、維持管理が問題となる。 新技術は、その解決策となる簡易で有効なカラス侵入抑制法を目指し、果樹園へのカラスの侵入行動を研究して開発した。果樹園の周囲には従来通り防鳥網を張るが、天井部には防鳥網を一切張らず、天井部にはテグスを1m間隔で張るだけという方式。 このテグスを張る天井構造にすると、まさに「くぐれんテグス君」で、カラスは天井部から果樹園内に入らなくなる。「設置費用は、従来の固定型防鳥網の10分の1以下」と同センターはいっている。 徳島県のナシ園2カ所に設けた合計67アールの実証展示では、前年10%あったカラス被害が2カ所とも1%にまで減ったとしている。 問い合わせは、同センター情報広報課(TEL029-838-8979)へ。
詳しくはこちら
|
 |
「くぐれんテグス君」の構造見取図(提供:中央農業総合研究センター) |
|