国土交通省の国土技術政策総合研究所は8月1日、市街地地盤の液状化を防ぐための技術支援ツールとして「地下水位低下の効果・影響簡易計算シート」を作成し、公開したと発表した。
建物のない「更地(さらち)」の地盤の液状化対策は行われているが、住宅が建て込んだ「市街地」に対し実施された例はほとんどなく、昨年3月の東日本大震災では住宅地で液状化の被害が多発した。
そこで、東日本大震災の液状化被災住宅地の復興に向け、再液状化防止対策の一工法として期待されているのが街路を含めた住宅地全体の地下水位を低下させる工法。
しかし、この工法には、地盤の下部に粘性土の層がある場合、地盤沈下を招く恐れがあり、効果と影響を簡単に計算できないという問題があった。
今回作成し、公開した「計算シート」は、その地下水位低下の効果と影響を簡単に計算できるようにしたもので、地盤調査のデータと、想定する地震規模を入力することで液状化の抑制効果と、副作用である下部粘土層の沈下の量を得ることができる。
問い合わせは、同研究所都市研究部都市計画研究室(TEL029-864-3934)へ。
No.2012-31
2012年7月30日~2012年8月5日