(独)産業技術総合研究所は7月10日、微小なマイクロマシンを低コストで作る新技術を開発したと発表した。
加速度センサー、ガスセンサー、などのセンシングデバイスや発電デバイスなど様々な「MEMS(メムス)」と呼ばれる微小電気機械素子が作れるという。
MEMSは、Micro Electro Mechanical Systemsの略称。電気で制御するマイクロメートル(μm)スケール(1μmは100万分の1m)の超小型機械素子のことで、マイクロマシンと同義。
毎分1万回転する直径100μmのマイクロモーターが試作されるなど各種のMEMSが研究開発され次世代産業として期待されているが、半導体作りと同じリソグラフィー(微細パターン形成)工程を必要とするため製造コストが高くなるという問題を抱えている。
今回開発された新技術は、半導体製造工程を必要とせず、印刷技術と射出成型だけで各種のMEMSデバイスが製造できる。
この新技術は、内閣府の最先端研究開発支援プログラム「マイクロシステム融合研究開発」の支援を受けて開発したもので、8インチウエハーを使うMEMS用量産製造試作ラインを設置して企業と共同でMEMSデバイスの量産試作開発に入っている。
同研究所は、「少ない設備投資で済み、小ロット生産にも対応可能で、低製造コストのMEMSデバイス製造技術を実現した」といっている。
No.2012-28
2012年7月9日~2012年7月15日