自治体の地下構造データの一元的な利用が可能に
:防災科学技術研究所/産業技術総合研究所

 (独)防災科学技術研究所は7月12日、(独)産業技術総合研究所と共同で地方自治体が持つ地下構造データを簡単な登録手続によってインターネット上の1つのページから利用できるようにする仕組みを開発したと発表した。登録された複数のデータが地図上で一元的に表示したり検索したりできるようになるため、行政区域を越えた地震防災対策や地盤整備、環境保全対策などに効果を発揮する。
 新たな仕組みを導入したのは、防災研が代表機関となって整備してきた地下構造データベースのポータルサイト「ジオ・ステーション」。これまで防災研、産総研、(独)土木研究所のほか、東京都のデータが利用できるようになっていたが、今回新たに登録を容易にする仕組みを導入、関東地方の全都県および川崎市のデータが利用できるようになった。
 地方自治体は、道路建設など公共事業を進める際に地質・地盤情報を得るためにボーリング調査をするが、データの有効利用を図るためそのデータをインターネット上の独自のページで公開している場合が多い。
 開発したのは、これら公開されているデータの責任組織名やボーリングの位置情報、総掘進長などを各自治体が登録することで、ジオ・ステーションの利用者が各自治体のデータを一括して利用できるようにするシステム。自治体の行政区域を越えてデータ検索したり、各自治体のボーリングの位置情報を一枚の地図上に表示したりできる。
 今回の成果について防災研と産総研は、「利用者の利便性だけでなく、ボーリングデータを公開している地方自治体にとっても利用者層を広げることにつながる」と話している。今後は地下構造データを公開している全国の自治体などとの連携も検討する。

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