国土交通省国土地理院は7月13日、東北地方などに設置されている同院の「電子基準点」187点で取得した日本の準天頂衛星「みちびき」とロシアの測位衛星「グロナス」の観測データを、同日から同院のホームページ(HP)に掲載して一般に提供すると発表した。
米国のGPS(全地球測位システム)衛星から得られる測位情報は、カーナビや携帯機器などに使われ今や生活に欠かせないものとなっている。
電子基準点は、そのGPS衛星に代表される測位衛星からの電波を常時受信している連続観測点。国土地理院は、全国1,240カ所に電子基準点を設置してGPS衛星の観測を行い、地殻変動を監視すると共に、測位データをHPから一般に無償提供している。
しかし、GPS衛星だけでは、山間部やビル街など空が開けていない上空視界に制約のある地域・場所の測量ができない。
従来のGPS衛星に加え、準天頂衛星「みちびき」とグロナス衛星を利用すれば、その問題を解決することができ、山間部やビル街など上空視界の制約がある地域でも測量が可能になり、東北地方の震災復興事業などの効率化に役立つという。
電子基準点からGPS衛星以外のデータを提供するのは、今度が初めてで、「本格的なGNSS(衛星測位システム)時代の幕開け」と国土地理院はいっている。
No.2012-28
2012年7月9日~2012年7月15日