(独)防災科学技術研究所は4月18日、地震の発生メカニズムを研究するために、同研究所が所有する大型振動台の上に、地震の発生を実スケールで再現できる大型実験装置(巨大岩石試験機)を構築したと発表した。 今回、同研究所が製作した大型試験機は、長さ2mと1.5mの岩石試料を40cmもずらして模擬地震を起こすことが可能で、試料サイズ、食い違い量ともに世界最大の試験機となった。 同研究所には、1969年に建造された大型振動台があり、主に建築、土木、機械などの分野で用いられてきた。今回、地震発生メカニズムの研究に向けて大型試験機の一部として、大型岩石試料を用いたすべり摩擦実験装置に利用できるようにした。 地震は、地中岩石の内部に割れ目(断層)ができ、断層面の食い違い運動によって生じる。すべり摩擦実験装置は、割れ目の食い違い運動である地震を模擬した動きが再現できるようにしたもので、地震時の食い違いがどのように起こるかは、割れ目の両サイドの面同士の摩擦特性で決まる。 同研究所が構築した巨大岩石試験機は、振動台上にある載荷装置(プレス)に、上下に二つの岩石試料(直方体)を搭載できるようになっており、上側の試料はバーにより振動台外部に固定されている。駆動装置(アクチュエーター)により上側の試料(長さ1.5m)を下側の試料(長さ2m)に押しつけると、振動台の振動によって、上下の試料の間に食い違い変位(断層)が生じる。振動が続くことにより岩石試料間に変形(ひずみ)が徐々に蓄積され、上下の試料の境界がずれることで、模擬地震が発生する仕組みだ。 同研究所では、この大型試験機を用いて、メートルスケールの岩石が、地震時にどのように振る舞うかを模擬的に調べ、自然界での巨大地震の発生メカニズムの解明と、それによって生じる地震や津波の発生モデルの研究を進めていく。 詳しくはこちら |