光合成機能持つ有機分子が働く瞬間を直接観察
:高エネルギー加速器研究機構など

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)は3月1日、東京工業大学、大阪大学、(独)科学技術振興機構(JST)と共同で、光合成機能を持つ有機分子が光エネルギーを化学エネルギーに変換する瞬間を直接観察することに成功したと発表した。
 太陽光エネルギー利用の一環として植物が光エネルギーを化学エネルギーに変換する光合成のメカニズムを人工的に分子レベルで模倣する「人工光合成」の研究が近年世界的に活発化している。
 今回の成果は、研究メンパーの大阪大学・福住俊一教授らが開発した「9-メシチル-10-メチルアクリジニウムイオン」と呼ばれる天然の光合成の1,000倍以上もの長時間、化学エネルギーに変換した状態を保持できる新有機分子を使って得たもの。
 観察は、つくば市(茨城)のKEKにあるレーザー光とX線をほぼ同じタイミングで繰り返し対象分子に照射する「時間分解X線ビームライン」という装置で行われ、太陽光にあたるレーザー光を照射した前後の結晶構造を精密に比較・解析して光エネルギーを化学エネルギーに変換する瞬間の分子構造変化を捉えることに成功した。

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