ナノサイエンス分野のシミュレーションソフト実証へ大規模並列計算を開始
:筑波大学/分子科学研究所

 筑波大学と自然科学研究機構分子科学研究所は8月27日、ナノレベルで起きる現象や物質の特性を解明するために開発中のシミュレーションソフトの実証に向けて、筑波大学計算科学研究センターのスーパーコンピューター「T2K」を用いた国内最大級の大規模高並列計算を開始したと発表した。
 シミュレーションソフトは、文部科学省次世代スーパーコンピューター開発プロジェクトの一環として開発しているもので、新しい触媒や創薬、分子エレクトロニクス素子など次世代ナノ材料の設計に役立つと期待されている。
 今回の計算は、次世代スーパーコンピューター開発プロジェクト「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」の一環で開発している「次世代ナノ統合シミュレーションソフトウエア」を実証するための準備研究。同じプロジェクトで開発中の次世代スパコン「京(けい)」が完成すれば、この研究成果をもとにソフトの本格的な実証研究を進める。
 次世代ナノ統合シミュレーションソフトは、原子や分子、電子のナノレベルでの振る舞いを分子軌道法や固体電子論、分子動力学などに基づいて計算するソフトウエア群の総称。分子科学研究所を中心にした研究チームは、次世代ナノ情報機能材料、次世代ナノ生体材料などナノサイエンス分野における計算科学による3つの課題への挑戦を掲げており、その実現のために「京」の上でこのソフトの駆動を確認する狙いだ。 
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