(独)農業・食品産業技術総合研究機構の野菜茶業研究所は8月27日、トマトのリコペン含有量をわずか1秒で高精度に非破壊で計測する新しい方法を開発したと発表した。
リコペンは、トマトに含まれる赤いカロテノイド系の色素。抗酸化能があることから機能性成分として注目され、トマトジュースなどの加工品ではリコペンの含有量を指標にして品質を管理している。
しかし、トマトのリコペン含有量を正確に測定するには、トマトからリコペンを抽出し、液体クロマトグラフィーなどの分析装置で定量するという方法になるため、手間と時間がかかる難点がある。
新測定法は、トマトの果実に可視光と、近赤外光を照射し、試料のトマトに吸収された光を計測することでリコペンの含有量を非破壊で測るというもの。わずか1秒でトマト1個に含まれるリコペンの平均濃度(100g当たりの㎎数)を高精度で計測できる。同研究所は、「この新測定法の計測値と化学分析値は高い相関を示す」といっている。
測定に使う可視・近赤外分光光度計などの機器は、携帯可能なので、ハウスなどの栽培現場で測定できるのも大きな特徴で、計測結果を栽培指導などに活用できる。
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No.2010-33
2010年8月23日~2010年8月29日