(独)物質・材料研究機構は5月14日、3種類の金属材料の「疲労データシート」を発行したと発表した。
同機構は、JIS(日本工業規格)の疲労試験法に基づく信頼性の高い各種金属材料の疲労試験データを疲労データシートとして30年以上にわたって発行している。今回発行したのは、「疲労データシート№109」、「同110」、「同111」の3種類。
№109は、加熱装置やボイラー機器などに多く使用されている「NCF800H」と呼ばれるオーステナイト系ステンレス耐熱鋼の疲労試験データ。100サイクルから1,000万サイクルまでの広範囲な疲労特性を室温から800℃までの5つの温度条件で系統的にまとめている。
№110は、輸送機器を飛躍的に軽量化できる材料として注目されているマグネシウム合金の「AZ61」と「AZ31」の疲労特性データで、10万サイクル以下の低サイクル疲労特性データと、1,000万サイクルまでの高サイクル疲労特性を載せている。
№111は、航空機や高強度が求められる機械などに使われるチタン合金(チタン・アルミニウム・バナジウム合金)の100億サイクルまでの、いわゆる“ギガ(1ギガは10億)サイクル”疲労特性を記載している。
同機構は、この3種類の疲労データシートを国内外の約660機関に配布する予定。
No.2010-18
2010年5月10日~2010年5月16日