(独)防災科学技術研究所は12月20日、太陽電池パネルに積もった雪は一般のトタン屋根より滑り易いことが実験で分かったと発表した。
この雪の滑走実験は、同研究所の雪氷防災研究センター新庄支所(山形・新庄市)にある「雪氷防災実験棟」を使い落雪事故を防止する目的で行ったもの。
同支所の雪氷防災実験棟は、雪氷圏で起こる様々な現象を実験室レベルで再現し研究できる世界最大規模の施設。天然の雪に近い結晶形の雪を降らせる装置を備えているのは世界でもここだけといわれる。
今回の実験は、同実験棟内に太陽電池パネルを2枚連結した長さ2.4m、幅0.8mの試験体と、同じサイズのトタンを張った模型屋根を床上約2mの同じ高さに傾斜角16.7度で設置し、それぞれの上に幅25cm、長さ30cm、高さ25cmの雪のブロックを置き同時に滑らせ、滑落する雪がどこまで到達するかを計測した。その結果、乾いた雪では太陽電池パネル、トタン屋根共、同じ所に落下し、湿った雪では太陽電池パネルの方が1.7倍遠くまで飛び出すことが分かったという。
同研究所では、「太陽電池パネルに雪が積もったときには、どこまで飛び出るかに注意し、立ち入り禁止用の柵を設置するなどの対策をとることが効果的」といっている。
No.2011-51
2011年12月19日~2011年12月25日