国土交通省の国土地理院は10月28日、東日本大震災をもたらした「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」で生じた東日本の三角点・水準点のズレを10月31日に改定すると発表した。これは、同大地震で大きな地殻変動を観測した青森県から岐阜県までの東日本20都県の三角点と水準点それぞれ約1,900点の現地測量結果を基に、約43,000点の三角点位置と同1,900点の水準点標高を改定し、公表するもの。
同院によると、水平方向でズレが最も大きかったのは、宮城県牡鹿郡女川町江島の三角点で、東南東に5.85m移動した。また、上下方向のズレの最大は、宮城県石巻市鮎川浜の水準点のマイナス(沈降)1.14m。どちらの変動量も、今回の大地震によるものだけでなく、地震前に蓄積していた地殻変動や地震後の余効変動も含んでいる。
主要道路沿いに約2km間隔で設置されている高さの基準となる水準点で高精度な水準測量を実施した結果、地震を挟んで、岩手県北部から茨城県の太平洋沿岸に至る広い範囲で沈降が確認されたという。
改定測量成果と、公共基準点などの座標値の水平・上下方向のズレを補正するためのパラメータは、国土地理院本院(茨城・つくば市)や、東北、関東、北陸、中部の各地方測量部で見ることができ、謄本(抄本)の交付も受けられる。
また、改定測量成果の詳細は、同院のウェブサイトで見ることができる。ただ、東京電力福島第一原子力発電所周辺30km以内の区域と、計画的避難区域の測量成果は含まれていない。
No.2011-43
2011年10月24日~2011年10月30日