高エネルギー加速器研究機構は5月13日、東日本大震災の影響で運転できない状態が続いている「フォトンファクトリー(PF)」に関連する緊急対応策を発表した。
PFは、つくば市(茨城)にある放射光と呼ばれる光(フォトン)を作り研究する世界的施設。電子や陽電子を光速に近い高エネルギー状態にして磁場中を通すと光が発生する。それが放射光で、PFには国内外から一年間に3,000人を超す研究者が実験に訪れ、物質科学・生命科学などの基礎から応用に至る研究を行っており、長期にわたって運転を停止すると大きな影響が出る。そのため、実験を予定していた研究者への希望調査を行い他機関での実験実施に切り替える緊急対応策を決め発表したもの。
それによると、135件の実験課題を理化学研究所、大阪大学蛋白質研究所、佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター、広島大学放射光科学研究センターなど国内8つの研究機関に振り分けて実施することが決まり、海外からも9つの研究機関から協力の申し出が来ていて調整を進めている段階という。
No.2011-19
2011年5月9日~2011年5月15日