(独)農村工学研究所は4月27日、東日本大震災で海水が侵入した水田の塩分を除去する農業工学的な対策技術(案)を発表した。
東日本大震災では、福島県、宮城県、岩手県を中心とした太平洋沿岸の約24,000ヘクタール(24,000万m2)に及ぶ農地が壊滅的被害を受け、津波により多くの水田に海水が浸入した。
そうした水田では、作付け前に土壌から塩分を除去する除塩が必要となる。同研究所は、震災後数回にわたり農地被害の現地調査を実施すると共に、除塩対策技術の文献調査と分析を行い、水稲作付けの本格期に間に合わせるべく対策技術(案)をまとめたもの。
同対策技術(案)は、除塩の前提となる条件整備と、塩分の成分であるカルシウムイオン、ナトリウムイオンを追い出す除塩対策技術からなり、必要用水量や、急速除塩の作業手順、除塩後の水稲栽培での留意事項などを明示している。
同研究所は、「この資料が農地の復旧・復興に少しでも活用され、早期に農村の再建が行われることを心から願っている」といっている。
No.2011-17
2011年4月25日~2011年5月1日