紫外線を高感度・高速で捉える検出器を開発
:物質・材料研究機構

 (独)物質・材料研究機構は3月4日、高い感度と早い応答性能を持つ紫外線(UV)検出器を開発したと発表した。
 UVは、波長10~400nm(ナノメートル、1nmは10億分の1m)の人間の目には見えない不可視光線。波長によってUVA(波長320~400nm)、UVB(同280~320nm)、UVC(同280nm以下)に分けられ、地球に降りそそがれるUVの95%はUVAといわれる。
 新検出器は、UVAを高感度・高速でキャッチできる。
 UVAは、窓ガラスやカーテンを透過して室内に入り込み肌にシミをつくるため嫌われ、シリコン(ケイ素)を使った検出器が研究されているが、感度が低いという問題を抱えている。
 同機構は、「有機金属化学堆積法」という成膜法で成長させたインジウム・ガリウム・窒素薄膜の表面に電極をクシ型状に形成して金属-半導体-金属構造を作り、UVAを高感度かつ高速で検出することに成功した。
 同機構は、「これまでにない高性能な(UVAの)検出器で、約6倍の感度と10倍の検出限界の向上を実現した」とし、UVAの環境モニターなどに利用でき、高温環境下でも使えるといっている。

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