来年、宇宙実験棟「きぼう」から衛星を放出、軌道投入目指す
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月2日、地球を周回している国際宇宙ステーション(ISS)の日本の宇宙実験棟「きぼう」からロボットアームを使って小型衛星を放出し、地球周回軌道に乗せる実証試験を来年(2012年)秋に実施すると発表した。
 小型衛星は、大学などから募集し、今年の5月下旬に選定を終える。放出する小型衛星の数は、4機から2機。ISSから衛星を放出するのは、これが世界でも初めて。
 小型衛星のサイズは、3タイプ。縦と横は、何れも10cmだが、高さが10、20、30cmの3タイプを公募する。
 これまで人工衛星は、ロケットの先端部に搭載して目的の衛星軌道に投入する方法で打ち上げられてきたが、この小型衛星は日本の無人宇宙ステーション補給機「HTV」(愛称・こうのとり)に載せてISSの「きぼう」まで運ぶ。
 小型衛星は、来年の5月下旬頃までにJAXAに引き渡し、同年秋に打ち上げる。
 打ち上げの時期は、ISSへのHTVの補給フライトスケジュールにより変わる可能性もあるが、2012年9月を目標にしている。ISSから放出された小型衛星は、地球を約100日間周回できる見通しという。
 JAXAは、この小型衛星放出計画を同日開かれた宇宙開発委員会に報告した。

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「きぼう」まで小型衛星を運ぶ無人宇宙ステーション補給機「HTV」(提供:JAXA/NASA)