信頼できない情報も―人の判断を左右:筑波大学
(2026年10月14日発表)
情報源の信頼度が数字で示されても、人は必ずしも適切な判断ができない。筑波大学の太田 啓示 助教は10月14日、このような研究結果を発表した。一方で、人は自分が信頼度の低い情報に影響されていることを、ある程度自覚していることも明らかにした。フェイクニュースや誤情報があふれる中、人はなぜそうした情報に影響されるかを理解し、その対策を考えるための示唆を与えてくれると期待している。
今回の研究では、健康な成人94人を対象にいくつかの情報を順番に示し、それぞれの情報源の信頼度(正しい情報を示す確率)を35%、55%、65%などな数字で教えた。すべての情報を見てもらった後に、それらの情報を組み合わせて二つの選択肢のうちどちらが正しいかを判断してもらった。
その結果、被験者は情報源の信頼度を考慮して判断していたものの、示された信頼度をそのまま利用してはいなかった。本来は判断の役には立たないはずの「信頼度50%」の情報にも影響され、そうした情報に基づいた選択肢を選びやすくなっていた。一方で、誤った情報を高い確率で示す情報源については、正しい情報を高い確率で示す情報源ほど効果的には利用できていないこともわかった。
さらに別の健康な成人64人を対象に、信頼度の異なる情報が自分の判断にどの程度影響したかを報告してもらう実験もこころみた。その結果、被験者は自分がどの情報からどのくらい影響を受けたかをある程度正しく把握しており、本来は役に立たない信頼度50%の情報に自分の判断が影響されていることにも気づいていた。また、情報から強い影響を受けている人ほどその影響を強く自覚しており、自分がどの程度情報に左右されているかをある程度把握できていることが分かった。
今回の成果について、太田助教は「なぜ人の判断や信念が誤った情報や信頼性の低い情報の影響を受けるのか、その仕組みを理解するための新たな枠組みになる」とし、ファクトチェックや信頼度表示などの情報提示の仕方を検討するのに役立つと期待している。



