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102番の人工元素「ノーベリウム」の化学的性質を解明―理研の加速器を用いて合成し、特異な性質浮き彫りに:大阪大学/高エネルギー加速器研究機構ほか

(2026年10月1日発表)

 大阪大学、高エネルギー加速器研究機構、理化学研究所の共同研究グループは10月1日、人工元素であるノーベリウムがクラウンエーテルと予測以上に強く相互作用することを観測し、これが重い元素に顕著に働く相対論効果によってもたらされた性質であることを解明したと発表した。

 ノーベリウム(No)は原子番号102番の人工元素で、ウランやプルトニウムなどが属するアクチノイド系列の元素の一つ。半減期が3.5分と短寿命で、一度の実験で扱える原子数が非常に少ないため、化学的性質はほとんどわかっていない。

 1970年代に、水溶液中でカルシウムやストロンチウムといった2族元素(アルカリ土類元素)に近い性質を持つことが報告されているが、その後研究はほとんど行われていなかった。

 研究グループは今回、理化学研究所の加速器AVFサイクロトロンを用いてノーベリウムの同位体の一つである255Noを合成し、ノーベリウムとクラウンエーテルの相互作用を調べる実験を行った。クラウンエーテルは金属イオンの分離や認識などに広く利用されている有機分子で、実験ではクラウンエーテルを担持した樹脂への吸着率を測定した。

 その結果、2価イオンのNo2+はストロンチウムイオンSr2+と同程度に強くクラウンエーテルへ抽出される一方、そのイオンサイズだけから予想される傾向からは明確にはずれていて、鉛イオン(Pb2+)と似た性質を示すことが分かった。

 この実験結果について相対論的量子化学計算を行ったところ、No2+とクラウンエーテルとの結合には、単純な静電相互作用だけではなく、共有結合的な性質が現れることが示された。そしてこの特徴には、原子番号の大きな元素で顕著になる「相対論効果」が深く関与していることが明らかになった。

 これらの結果は、No2+が従来知られてきたアルカリ土類金属(Ca2+やSr2+)に似た性質だけではなく、Pb2+に似た「柔らかい」金属イオンとしての性質も併せ持つことを示しているという。

 すなわち、No2+は単に「Sr2+に似た大きさと電荷を持つイオン」として振る舞うだけではなく、そのアクチノイド元素としての電子構造に由来する特異的な化学的性質を持つことが明らかになったとしている。