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ツキノワグマが大量捕獲により“若年齢化”―繁殖を担うメスの割合が低下、年齢構成に変化:東京農工大学/国立環境研究所ほか

(2026年10月5日発表)

 (国)国立環境研究所の栃木 香帆子特別研究員、東京農工大学大学院の小池 伸介教授らの共同研究グループは10月5日、人間の生活圏へのツキノワグマの頻繁な出没に対して行われる捕獲(駆除)の増加により山や森に生息するクマにどのような影響が生じているかを調べたと発表した。すると、繁殖の中心を担う年齢のメスの割合が低下して若い割合が増え、クマの「年齢構成」に明らかな変化が生じていることが分かった。

 ツキノワグマは、本州と四国に生息する大型のクマ。全国の自然界に生息するその頭数は、明らかでないが、1万数千頭ともいわれる。九州では既に絶滅しており、北海道にいるクマは別種のヒグマ。

 今年は、人里に出没したツキノワグマによる騒動が各地で頻発して大きな社会問題になっている。

 しかし、ツキノワグマが人間の生活圏に多く出没したのは、今年だけのことではない。日本では、2000年以降ドングリが実る秋になると人間の生活圏に大量に出没する現象が数年おきに各地で繰り返し発生しており、その都度平常年の数倍以上の数の捕獲駆除が行われてきたといわれる。

 それが、現在は鳥獣保護管理法で保護され、原則として知事の許可なく捕獲駆除できなくなっている。

 今回の調査研究は、野生動物を保護管理するための区分の一つ「越後・三国個体群(えちご・みくにこたいぐん)」と呼ばれるエリアに含まれる長野県、群馬県、栃木県を対象範囲にしてこれら3県で2001年から2017年におよぶ17年間にわたって数年に一度の頻度で繰り返されてきたツキノワグマのメスの大量捕獲が「年齢構成」に及ぼしてきた影響を定量的に評価した。

 共同研究には、(国)国立環境研究所、東京農工大学、米国イリノイ大学のマクシミリアン・エル・アレン博士(農工大大学院特任准教授兼任)、群馬県立自然史博物館、長野県環境保全研究所、栃木県林業センター、ミュージアムパーク茨城県自然博物館、の研究者が参加した。

 野生動物の保全や管理では、対象の動物が何頭生息し、それらが増減しているか、といった生息数の情報が重視される。

 しかし、健全性を見分けるのに必要な情報はそれだけではなく、どの年齢の個体がどの程度生息しているのかという今回調べた年齢構成も重要な情報となる。

 研究は、ツキノワグマが多く生息する越後・三国個体群に属す長野県、群馬県、栃木県の3県で2001年から2017年の17年間に捕獲収集された計1,478頭のメスについて解析したもので、大量捕獲の繰り返しによりもともと捕獲される割合の多い高年齢のメスが多く捕獲されて失われ、繁殖の中心を担っている7歳以上のメスの割合が低下し、代わって若い個体の割合が増えるという年齢構成の変化が10年以上かけて徐々に進んでいたことが分かったという。