温暖化に強く、高収量の水稲を開発―西日本で多発している「白未熟粒」抑える新品種:農業・食品産業技術総合研究機構
(2026年4月14日発表)
温暖化による負の影響を受け難く、かつ多収で、いもち病に強く、食味の良い水稲の新品種を開発したと(国)農業・食品産業技術総合研究機構が4月14日発表した。2028年からの実用化を目指す計画という。
近年、西日本を中心に栽培されている水稲の主力品種「ヒノヒカリ」で、温暖化によって収穫される玄米の粒の一部分または全体が白く濁ってしまう白未熟粒が多発し、炊飯するとバサバサになったり、硬さがばらついたりする品質の低下が生じ大きな問題となっている。
この白未熟粒は、登熟期(とうじゅくき)と呼ばれる穂が出た後の実が大きくなってデンプンなどの養分を貯めこむ気温の高い時期に起こり、西日本地域に留まらず「ヒノヒカリ」栽培地の全国的な課題になっている。
新品種は、病害抵抗性を改良した系統を母に、多収で味の良い品種を父とする交配によって得たもので、名称は「みなもさやか」。清流の水面(みなも)のような透明感のある良質な米が生産されることを願って名付けたという。
農研機構は、福岡県筑後市の同機構九州沖縄農業研究センター筑後・久留米拠点でこの新品種「みなもさやか」の試験栽培を行っているが2019年からのテストで、西日本地域の主力米「ヒノヒカリ」より2割程度多収な上、食味が良くて、「ヒノヒカリ」の最大の課題である白未熟粒による玄米品質の低下がおきにくく、成熟期が「ヒノヒカリ」とほぼ同じ、ウイルスによって引き起こされる病害「縞葉枯病(しまはがれびょう)」に抵抗性を持つ、などの特徴を持つことを確認している。
農研機構は、こうした結果が得られたことから「登熟期の高温による玄米品質の低下が著しいヒノヒカリに代えて普及を目指したい」としており、この新品種の種子を生産・販売する団体を募集し、2028年の作付けから一般農家への種子の供給が開始できるようにしたい、としている。

「みなもさやか」は白未熟粒が少ない。(提供:農研機構)



