北極の冬季海氷域面積が観測史上で最小を記録―マイクロ波放射計による観測画像、気温上昇映す:宇宙航空研究開発機構ほか
(2026年4月17日発表)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立極地研究所の共同研究チームは4月17日、2026年の北極の冬季海氷域面積は衛星観測が開始された1979年以降で最も小さくなり、昨年に続き史上最小記録を更新したと発表した。
北極海氷は地球温暖化の進行の中で変化に歯止めがかからなくなる可能性があり、気候システムに連鎖的な影響を及ぼすことが予測されると指摘されている。
同共同研究チームは、水循環変動観測衛星などに搭載されたマイクロ波放射計を用いて海氷の衛星観測を実施し、40年以上にわたる長期的なデータセットを整備している。
例年、北極の海氷域面積は10月から3月に拡大し、4月から9月に縮小する季節変動を繰り返す。今冬(2025年11月から2026年2月)の海氷域面積は、直近の2010年代の平均と比べても小さい値で推移した。
結果として、3月13日に記録した1,376万㎢が2026年北極の冬季海氷域面積の最小値となった。この値は、冬季海氷域面積の最小記録であった2025年よりも約3万㎢小さく、衛星観測開始以来で最も小さい値にあたる。
海氷域面積が縮小した要因については、2026年1月から2月にかけて、オホーツク海やバフィン湾、ラブラドール海で気温が平年より高く、海氷が南側へ広がりにくい状態が続いていたこと。またオホーツク海では、2月中旬から3月中旬の期間も東~南東からの風が卓越し、2025年の同時期よりも気温が高かったこと、が示されている。
その結果、オホーツク海では2月19日を境に海氷域面積が減少に転じ、このことが北極域全体の海氷域面積が広がりにくい要因になったと考えられる、としている。
海氷観測では高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)が13年を超えて運用されてきたが、この後継センサーであり2025年10月に運用を開始したAMSR3は、海氷だけにとどまらず降雪観測も可能で、北極をはじめとする寒冷域の環境をより多角的に分析できる。
今後研究グループはAMSR3を含む衛星搭載マイクロ波放射計の観測データを活用し、気候変動に関わる継続的なモニタリングと、より精緻な分析および情報発信を進めていくとしている。



