北海道沖で過去に起きた超巨大地震の“姿”を推定―発生したのは、17世紀と13~14世紀:産業技術総合研究機構ほか
(2026年1月7日発表)
(国)産業技術総合研究機構(産総研)と弘前大学は共同で1月7日、北海道沖で17世紀と13~14世紀に発生した2つの「超巨大地震」の破壊領域とすべり量(動いた断層面の長さ)を推定した、と発表した。現存する津波堆積物の現地調査や、コンピューターを使ったシミュレーションにより400年以上前に起こった超巨大地震の“姿”を明らかにした。
北海道沖の千島海溝では、M(マグニチュード)8クラスの大地震が過去に繰り返し発生しており、例として1973年の根室沖地震や2003年の十勝沖地震が挙げられている。
そして、それらより更に規模の大きい十勝沖と根室沖の両領域が連動して破壊するM9クラスの超巨大地震が約400年の間隔で発生し、直近では17世紀、それより前では13~14世紀に発生していた痕跡が津波堆積物として北海道の太平洋沿岸地域に広く残っていることが知られている。
研究では、その17世紀と13~14世紀の超巨大地震で生じた津波堆積物の分布状況を詳しく調べるため北海道太平洋沿岸の88の地点で掘削を行い堆積物に含まれる津波堆積物について放射性炭素年代測定などを行うことで17世紀と13~14世紀の津波堆積物の確認を先ず行なった。
そして、更にコンピューター上で津波を発生させ陸上のどの範囲までが浸水したのかを数値計算で再現する津波の浸水シミュレーションを実施して超巨大地震でどのような津波が発生するのか検討した。
その結果、▽17世紀に発生した超巨大地震による破壊領域は300km×130kmにも達し、動いた断層面の長さを示すすべり量は十勝沖で10m、根室沖で5m、プレートの境界部に当たる海溝付近では25mになり、▽13~14世紀の地震では破壊領域が300km×100km、すべり量が十勝沖で5m、根室沖で10mになる、とする推定値が得られた。
この結果から研究グループは、17世紀に発生した超巨大地震では西側の十勝沖で大きなすべりが起き、13~14世紀の地震では十勝沖でなく東側の根室沖で大きなすべりが起きていたものと見ている。
13~14世紀の超巨大地震についての情報は少なく「断層の破壊領域や地震規模などの詳細は分かっていなかったが、2つの地震は異なる破壊領域・すべり量を持つことが判明した」と研究グループはいっている。




