2型糖尿病の発症―魚介類の水銀が関与も:国立健康危機管理研究機構/国立環境研究所
(2026年2月3日発表)
国立健康危機管理研究機構と国立環境研究所は2月3日、食生活や運動不足などの生活習慣が影響する2型糖尿病の発症に魚介類に含まれる水銀が関与している可能性が高いと発表した。健康な約4,800人を対象に血中水銀濃度と発症の有無を5年間にわたって追跡調査した結果、水銀濃度が最も高い人の発症リスクは低い人の約2倍に上ったという。魚好きな人は、水銀などの重金属が多い大型魚より比較的少ない小型魚を食べるよう推奨している。
研究グループには日立健康管理センタの医師も加わり、2008年度に人間ドックを受診した日本人勤労者を対象に水銀のほかカドミウムと鉛、ヒ素の血中濃度と2型糖尿病の発症リスクとの関係を調べた。
調査開始時に糖尿病にかかっていなかった約4,800人を5年間にわたって追跡調査したが、この間に325人が新たに2型糖尿病を発症した。そこでこの325人と、糖尿病を発症しなかった人のうち年齢や性別、ドック受診時期が発症者と同じになるように選んだ611人を比較する研究を進めた。
その結果、血中水銀濃度が最も高かったグループでは、最も低かったグループに比べて2型糖尿病を発症するリスクが約2倍高いことが分かった。これに対し、カドミウムと鉛、ヒ素の血中濃度は2型糖尿病発症との関連はみられなかった。
カドミウムや鉛の血中濃度と2型糖尿病の関連について米国や中国の研究で報告されているが、今回対象にした被験者集団の血中濃度はそれらの研究に比べると半分以下だったという。
日本人は水銀の約9割を魚介類から摂取していることが知られているが、一般に重金属は大型魚ほど食物連鎖によって体内に蓄積・濃縮されることが知られている。そのため、魚が好きでよく食べる人は「水銀濃度が比較的低い魚、おもに小型の魚に置き換えたりすることも一案」と、研究グループは話している。



