山間の廃道に長年堆積した土砂量をドローンで測定―土砂流災害の予測につながる基礎情報に期待:筑波大学
(2026年2月16日発表)
筑波大学、兵庫教育大学、北海道大学の研究チームは2月16日、レーザー測量装置を乗せたドローンを使い、過去の土砂流事故で廃道になっている山間部の土砂堆積量の推定に成功したと発表した。今後の土砂流災害の予測や復旧活動につながるとみている。
山地の多い日本では落石、斜面崩壊、地滑り、土砂流などの地形変動が多発し、土砂災害を引き起こしている。特に落石による土砂量が把握できればその頻度や規模を推定する重要な要素になる。
これまでは落石防止設備(トラップ)の定期的な観測や道路の点検記録、樹木の年輪に残された落石の痕跡などを手がかりにしていたものの、長期間にわたっての広範囲の観測は難しかった。
研究グループは、静岡県と長野県の県境付近にある静岡県道288号線の通行止め区間のうち約5kmの区間で、レーザー測量装置を乗せたドローンで地形を測量した。
この地域は、日本列島で隆起速度が最も大きな赤石山脈南部の天竜川沿いにあり、道路の背後には急斜面で起伏の大きな斜面が広がっている。
1991年に発生した災害で通行不能になった。それ以来、落石が道路上に堆積し続けている。
地形測量はこの道路区間を96区間に分割し、それぞれの地形条件と共に土砂堆積物の状態や供給量との関係を調べた。
その結果、道路に面した斜面の平均傾斜が大きいほど、また斜面の上流側の面積など(集水面積)が大きいほど落石による土砂流量が活発になり、道路が土砂で覆われやすくなることが分かった。
この地域の集水面積2万m2の谷型斜面では、数十年で土砂流1回分に相当する土砂が蓄積すると推定される。
日本各地の山間部には多くの廃道や鉄道の廃線跡があるため、この方法を使えば廃道や廃線跡の土砂供給量を推定できるとしている。



