(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月18日、北海道大学と共同で研究を進めている新型ロケットエンジンの飛行実験を3月16日に北海道の大樹町(広尾郡)で実施すると発表した。
新ロケットエンジンは、「エジェクタロケット」といい、ジェット機のエンジン同様に外から吸い込んだ空気の酸素で燃料を燃焼させ、その推力をロケット自体の推力にプラスして推力をより一層上げる方式。JAXAは、将来の宇宙輸送機用エンジンを目指し、一つのエンジンで作動状態を3段階に切り替えながら離陸から極超音速まで速度を上げていく「ロケット複合エンジン」の研究開発を行っている。そのロケット複合エンジンの離陸から超音速までの速度域を担うのがエジェクタロケット。
今回の発射実験は、NPO法人(特定非営利活動法人)の北海道宇宙科学技術創成センター(HASTEC)に委託して行うもので、エジェクタロケットの小型研究用モデルを音速(時速1,225km)より遅い亜音速で飛行させ、エジェクタロケットで最も重要な「エジェクタ効果」と呼ばれるロケットから噴射される噴流による空気の吸い込み効果のデータを取得する。
No.2009-7
2009年2月16日~2009年2月22日