月周回衛星「かぐや」が“ダイヤモンドリング”に輝く地球の撮影に成功:宇宙航空研究開発機構/日本放送協会

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本放送協会(NHK)は2月18日、月周回衛星「かぐや」のハイビジョンTVカメラで、「かぐや」から見て、地球が太陽のほとんどを覆い隠し、まるで金環食のような“ダイヤモンドリング”に輝やく地球の動画撮影に世界で初めて成功したと発表した。
 画像は、「かぐや」搭載のNHK開発の宇宙仕様のカメラで日本時間の2月10日に撮影し、JAXAが受信、NHKがデータ処理した。
 撮影時、太陽と地球と月は、ほぼ一直線上に並び、月が地球の半影の中に入るので、月から見て太陽が地球で一部隠される。これを「半影月食」というが、ほぼ月の南・北極を通る軌道を飛行中の「かぐや」が月食に遭遇するのは最大でも年に2回ほどしかない。月食は、「かぐや」のこれまでの運用期間中にもあったが、電力・熱などを考慮して、観測機器を運用しなかった。しかし、問題が無いのを確認して、今回初めてのハイビジョン動画撮影となった。
 写真の右下で明るく光っているのが太陽で、細い光るリングで囲まれた黒い部分が地球。ちょうど、地球の夜の側を見ているので、真っ暗になる。地球がリング状に輝いているのは、大気があるため。太陽光は、地球大気で散乱を起こし、太陽光の一部が地球の縁を回り込むようにして月に届く。このため、月からは地球の大気が青くリング状に光っているように見える。

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ハイビジョンTVカメラで撮影した地球の“ダイヤモンドリング”(提供:宇宙航空研究開発機構)