無人宇宙輸送機「HTV」の熱・音響試験が完了
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月30日、「宇宙ステーション補給機(HTV)」の第1号機となるHTV技術実証機の熱真空試験と音響試験が完了したと発表した。
 HTVは、日本から国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を運ぶJAXAが開発中の国産無人宇宙輸送機。JAXAの種子島宇宙センター(鹿児島)から次世代の「H-II」ロケット「H-IIB」で打ち上げ、ISSに接近後ISSのロボットアームを使ってISSにドッキング。ISS搭乗の日本人宇宙飛行士用の食糧や衣類、実験装置など最大6tの補給物資を送り届ける。補給を終えたら、実験を終えた機器など不用品を積み込んでISSを離れ、大気圏に再突入させ、空気との摩擦熱で消滅させることを目指している。
 ISSへの補給手段には、米国の「スペースシャトル」のほかに、ロシアの「プログレス」、欧州宇宙機関(ESA)の「ATV」があるが、プログレス、ATVが船内用物資のみを輸送するのに対し、JAXAのHTVは船内用、船外用のどちらの物資も輸送できるのが特徴。
 熱真空試験、音響試験をクリアしたHTV技術実証機は、この後機能試験に移り、2009年度に打ち上げる予定。
 HTVは、全長約10m、直径同4.4m。船内用物質同4.5t、船外用物質同1.5tを運ぶことができ、第1号機打ち上げの後、年間1~2機打ち上げることを目指している。

詳しくはこちら

ISSに接近する「HTV」(中央下)の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構)