常温でプレス加工できる新マグネシウム合金圧延材を開発
:産業技術総合研究所/京都大学

 (独)産業技術総合研究所は9月16日、京都大学と共同でアルミニウム合金圧延材並みの常温成形性を持つマグネシウム合金圧延材を開発したと発表した。
  マグネシウム合金は、軽量で高強度な上、資源も豊富に存在することから次世代の軽量構造材料として、ノートパソコン、携帯電話、自動車部品などに利用が拡大している。
 しかし、常温成形性がアルミニウムや鉄よりも低いため、プレス加工するには圧延材と金型を250ºC以上に加熱し成形する必要があった。
 開発した新マグネシウム合金圧延材は、マグネシウム-亜鉛系合金にセリウムなど希土類元素を微量添加し、熱間圧延によって作る。この圧延合金は、汎用マグネシウム合金と大きく異なる組織を形成するため、アルミニウム合金並みに常温成形ができる。
 一般にマグネシウム合金圧延材は、圧延面に対して平行に配列するマグネシウム特有の集合組織が形成されるため、薄くならず、プレス加工を加えると初期に破断してしまい、常温でのプレス加工が極めて難しかった。
 新開発のマグネシウム合金圧延材は、加熱装置を備えていない汎用のプレス機でもプレス加工できるので、大幅な加工コストの削減と、生産性アップを図ることができるという。 
 この研究成果の詳細は、11月15~16日に開催される「軽金属学会秋期大会」で発表する。

詳しくはこちら