新型「H-IIB」ロケット初の燃焼実験を実施
:宇宙航空研究開発機構/三菱重工業

 (独)宇宙航空研究開発機構は3月12日、三菱重工業(株)と共同で開発している「H-IIB」ロケットについて、初めての第1段厚肉タンクステージ燃焼試験を秋田県にある三菱重工業の田代試験場で実施したと発表した。
 H-IIBロケットは、我が国の主力ロケットであるH-IIAロケットの技術を活かした、より能力の高い我が国最大の新型ロケットで、平成21年度に種子島宇宙センターからの打ち上げを目指している。H-IIBロケットは、液体酸素と液体水素を推進薬とする2段式ロケットで、H-IIAでは1基だった第1段液体ロケットエンジン(LE-7A)を2基搭載する。また、本体横には、標準型で2本だったポリブタジェン系推進薬を使用した固体ロケットブースター(SRB)を4本装備し、加速を補助する。
 H-IIBロケットの第1段厚肉タンクステージ燃焼試験は、第1段推進系システムの設計妥当性確認を目的としたもので、計画では予備を含めて10回の燃焼試験を予定している。
 3月12日に行われた第1回目の燃焼試験は、初期作動確認の試験で、クラスター化した(束ねた)2基のLE-7Aエンジンを午後3時39分に着火して10秒間燃焼し、第1エンジンと第2エンジンが共に正常に始動・停止することや、試験設備が正常に作動することを確認した。
 第2回から第9回までも同じエンジンを使って、技術データ取得の試験を実施するが、状況により試験の回数や条件は変更する場合があるとしている。

詳しくはこちら