2つの異なる超電導状態が共存する典型物質を発見
:高エネルギー加速器研究機構/青山学院大学

 高エネルギー加速器研究機構は3月14日、青山学院大学・秋光純教授のグループと共同である種の金属炭素化合物に2つの異なる超電導状態が共存することを見つけたと発表した。
 1つの物質中に2つの異なる超電導状態が共存する現象は、「二重ギャップ超電導」と言い、既に知られていることだが、極めて珍しい現象なため事例が少なく、まだ未解明の部分が多い。今回の成果は、二重ギャップ超電導の典型物質が発見されたことを意味し、その理解が大きく進むものと期待される。
 二重ギャップ超電導を示した金属炭素化合物は、イットリウム(またはランタン)2原子と炭素3原子からなる物質。2001年に青山学院大学の秋光教授らが見つけた超電導物質の2ホウ化マグネシウムが二重ギャップ超電導を示すことがこれまでにも確認されており、多くの研究者の関心を集めてきたが、1つの物質中に2種類の超電導状態が存在した場合にどのような効果がもたらされるかといったことはまだ分かっていない。

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