国土交通省の国土技術政策総合研究所は1月12日、下水処理で生じる汚泥を低コストで固形燃料化する新技術の導入ガイドラインを策定したと発表した。
国交省は、下水道の新技術を開発し実用化する技術実証事業を「B-DASHプロジェクト」と呼んで進めている。今回の導入ガイドラインは、その一環として実規模プラントで実証してきた下水処理場で発生した汚泥を固形燃料化する新技術についてまとめている。
下水処理汚泥を固形燃料化する新技術は、汚泥に含まれる有機物を可溶化して微生物を働かせ、消化ガスと呼ばれるメタンを主成分とするバイオガスに変え、その消化ガスを熱源にして残った汚泥を省エネ・低コストで固形燃料化するという方法で、平成24年度から実規模プラントで実証を重ねてきた。
発表された導入ガイドラインは、その新技術と既存の焼却処理法とをコスト、エネルギー消費、地球温暖化ガス排出量で比較しているが、既存法より建設費を40%、エネルギー消費量を33%それぞれ削減でき、地球温暖化ガスの排出量を79%低減することが可能としている。
同研究所は、この導入ガイドラインを「温室効果ガスを抑制した水熱処理と担体式高温消化による固形燃料化技術導入ガイドライン(案)」としてホームページで公表している。