
UAVで撮影した映像から作成した砂沢地すべりの現場と周辺の「簡易オルソ画像」(提供:国土地理院)
国土交通省の国土地理院は7月13日、災害現場の状況把握に無人航空機(UAV)を使って撮影し、データをもとに「オルソ画像」と呼ばれる歪みのない航空写真(空中写真)を作成したと発表した。
上空から航空カメラでビル街を写すと、高層ビルなど高い建物は、写真の中心から外側に傾いているように写ってしまう。これが歪みで、標高データを使ってその補正を行ったオルソ画像では、どんなに高い超高層ビルも傾かず、画像上で位置、面積、距離を正確に計測できることからさまざまな分野に使われ、国土交通省が平野部を中心に国土のオルソ画像整備を進めている。
今回の実験は、有人の航空機よりはるかに利用しやすく、簡便で、低コストのUAVがそのオルソ画像作りに使えることを実証した。
UAVによる撮影は、今年の4月に山形県・戸沢村(最上郡)の砂子沢(いさござわ)川で起きた砂沢地すべりの発生現場で7月3日に行われ、撮影した映像から2秒ごとに切り出した静止画からオルソ画像を作成した。同院は、得られた画像を「簡易オルソ画像」といっている。
国土地理院は、土砂災害発生現場の現況把握に役立つオルソ画像を、UAVを使って迅速に取得できるようにすることを目指している。