専門技術ら3人が「平成26年度KEK技術賞」を受賞
:高エネルギー加速器研究機構(2015年1月20日発表)

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)は1月20日、同機構物質構造科学研究所の豊島章雄専門技師、素粒子原子核研究所の千代浩司専門技師、加速器研究施設加速器第一研究系の橋本義徳技師の3人が「平成26年度KEK技術賞」を受賞したと発表した。

 この賞は、KEK内の技術者を対象に、技術の独創性、研究への貢献度、技術伝承への努力、などを審査して毎年贈られている。

 豊島章雄専門技師は、「高輝度真空紫外軟X線ビームラインの建設・調整法と光学素子のin situ(イン・サイチュ)炭素汚染除去法の開発」、千代浩司専門技師は、「DAQ-Middlewareの高度化と素粒子原子核・物質生命科学分野への普及活動」への貢献、橋本義徳技師は、「大強度陽子ビームの高ダイナミックレンジのハロー診断のためのOTR/Fluorescenceスクリーンを用いた2次元ビームプロファイルモニター」で成果をあげたことなどが評価された。

 この中で、豊島専門技師の研究成果は、真空槽内の真空を保持したまま、発生した炭素を除去する方法を世界で初めて開発したもので、これにより実験期間中を通して真空槽内の炭素汚染をほぼ完全に防止できるようになり、炭素によってミラーの反射率低下を招くという世界中の放射光施設での課題解決に道をつけた。

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